労働能力喪失期間

労働能力喪失期間

センター南 横浜都筑法律事務所

逸失利益の労働能力喪失期間

逸失利益が生じる期間


後遺障害逸失利益の計算では、症状固定後の将来にわたって得られなくなる利益(得べかりし利益)を算出します。

そこで、後遺障害によって労働への支障がどの時点まで続き、それにより逸失利益がどの時点まで生じるのか、という点で期間が計算要素となります。

その逸失利益が生じる期間が労働能力喪失期間です。

逸失利益の計算における労働能力喪失期間の使い方や、労働能力喪失期間の始期と終期などについてご案内します。


労働能力喪失期間の使い方


後遺障害逸失利益の一般的な計算式は以下のとおりであり、労働能力喪失期間は、そのまま使うわけではありません。

〔後遺障害逸失利益の一般的な計算式〕
基礎収入×労働能力喪失率
×労働能力喪失期間の中間利息控除係数
すなわち、 労働能力喪失期間を決めたら、その中間利息控除係数を割り出して上記の計算式にあてはめます。
中間利息控除については、以下のページで解説します。

労働能力喪失期間の始期

逸失利益が生じる労働能力喪失期間の始期は症状固定日です。

未就労者の就労の始期については、原則18歳とされますが、大学卒業を前提とする場合は大学卒業時となります。

労働能力喪失期間の終期

逸失利益が生じる労働能力喪失期間の終期について、弁護士基準は以下のとおりです。

    • 原則は67歳まで
    • 症状固定時の年齢が67歳を超える場合、原則として統計による平均余命の2分の1。
    • 症状固定時から67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる場合、原則として平均余命の2分の1。 

労働能力喪失期間の争い


逸失利益が生じる期間について、上記は原則論ですが、職種、地位、健康状態、能力等により上記原則と異なった判断がされる場合があります。

また、事案によっては期間の途中で段階的に喪失率を逓減させることもあります。

これらは個別具体的な事情によるもので、一律の基準があるわけではなく、被害者と加害者の間で争いになることがよくあります。

後遺障害14級の逸失利益

後遺障害14級の場合、逸失利益の労働能力喪失期間が5年とされることが多くります。以下のページをご覧いただければと思います。
   後遺障害14級の逸失利益  

外貌醜状の逸失利益

外貌醜状の後遺障害については、労働能力喪失による逸失利益の有無・程度等に関し争いになることがあり、以下のページで裁判例をご紹介しています。
   外貌醜状の逸失利益    


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さらに具体的には、お問い合わせいただけますでしょうか。

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このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)