後遺障害
センター南 横浜都筑法律事務所

後遺障害

耳の後遺障害

難聴・耳鳴りなど


交通事故による耳の後遺障害には、難聴(聴力障害)耳鳴り耳殻(耳介)欠損耳漏があります。

難聴は、「dB」(デシベル)という単位の聴力レベルなどによって等級の認定基準が設けられ、両耳の聴力障害(4級~11級)と片耳の聴力障害(9級~14級)に大別されています。

耳鳴りは、後遺障害に該当するためには難聴に伴う耳鳴りであることを要し、12級と14級があります。


難聴(聴力障害)


難聴の後遺障害は、両耳の聴力障害と片耳の聴力障害に大別されています。

後遺障害の認定においては、以下の値を基礎とします。

純音聴力レベル(純音による聴力レベル)
 :単位「dB」(デシベル)
明瞭度(語音による聴力検査結果)
 :単位「%」

両耳の聴力障害


両耳の聴力を全く失った


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが90dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上かつ最高明瞭度が30%以下
4級3号

両耳の聴力が耳に接しなければ⼤声を解することができない程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上80dB未満かつ最高明瞭度が30%以下
6級3号

片耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に


【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが70dB以上
6級4号

両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下
7級2号

片耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度に


【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上
7級3号

両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが60dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が70%以下
9級7号

片耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に


【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上
9級8号

両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上かつ最高明瞭度が70%以下
10級5号

両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度に


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上
11級5号


両耳の聴力を全く失った


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが90dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上かつ最高明瞭度が30%以下
4級
3号

両耳の聴力が耳に接しなければ⼤声を解することができない程度に


【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上80dB未満かつ最高明瞭度が30%以下
6級
3号

片耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが70dB以上
6級
4号

両耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが70dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下
7級
2号

片耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが60dB以上
7級
3号

両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが60dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が70%以下
9級
7号

片耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上かつ他耳の平均純音聴力レベルが50dB以上
9級
8号

両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが50dB以上、又は、両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上かつ最高明瞭度が70%以下
10級
5号

両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度に

【認定基準】両耳の平均純音聴力レベルが40dB以上
11級
5号

片耳の聴力障害


片耳の聴力を全く失った

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上
9級9号

片耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満
10級6号

片耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが70dB以上80dB未満、又は、片耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下
11級6号

片耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが40dB以上70dB未満
14級3号


片耳の聴力を全く失った

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが90dB以上
9級
9号

片耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが80dB以上90dB未満
10級
6号

片耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが70dB以上80dB未満、又は、片耳の平均純音聴力レベルが50dB以上かつ最高明瞭度が50%以下
11級
6号

片耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度に

【認定基準】片耳の平均純音聴力レベルが40dB以上70dB未満
14級
3号


耳鳴り


耳鳴りの後遺障害は、12級相当と14級相当があります。

いずれの等級とも難聴に伴う耳鳴りであることが必要であり、その意味を含め、後遺障害認定基準は表の下に記載のとおりです。

耳鳴に係る検査によって
難聴に伴い
著しい耳鳴が
常時あると評価できる
12級相当
難聴に伴い
常時耳鳴のあることが
合理的に説明できる
14級相当

耳鳴りの後遺障害認定基準


「難聴に伴い」(12級・14級)とは、耳鳴りの生じている周波数における純音聴力レベルが、他の周波数における純音聴力レベルよりも低下していることをいい、聴力障害の認定基準で最低ラインとなっている40dB以上でなくても該当しえます。

「耳鳴に係る検査」(12級)とは、ピッチ・マッチ検査及びラウドネス・バランス検査をいいます。

「著しい耳鳴」(12級)は、上記の検査により耳鳴りが存在すると医学的に評価できる場合に該当します。

「常時」(12級・14級)については、耳鳴りが常時存在するものの、昼間外部の音によって耳鳴りが遮蔽されるため自覚症状がなく、夜間のみ耳鳴りの自覚症状を有する場合には、耳鳴りが常時あるものとされます。

「耳鳴のあることが合理的に説明できる」(14級)とは、耳鳴りの自訴があり、かつ、耳鳴りのあることが音響外傷等から合理的に説明できることをいいます。


耳殻(耳介)欠損


片耳の耳殻の大部分を欠損 12級4号

「耳殻の大部分を欠損」とは、耳殻(耳介)の軟骨部の2分の1以上を欠損した場合をいいます。

 その場合、耳殻(耳介)の欠損障害としてとらえた等級と、外貌の醜状障害としてとらえた等級のうち、いずれか上位の等級に認定されます。

 耳殻(耳介)の軟骨部の2分の1以上には達しない(「大部分」ではない)欠損であっても、外貌の「醜状」の程度に該当する場合は、その等級が認定されます。


耳漏


鼓膜の外傷性穿孔による
耳漏が常時ある
12級相当
その他 14級相当



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このページの筆者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)