賃金センサス

賃金センサス

センター南 横浜都筑法律事務所

賃金センサスによる逸失利益の計算

令和の賃金センサスと使い方

後遺障害逸失利益について


賃金センサスとは、政府が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の結果をまとめた、労働者の平均賃金の統計です。

令和1~5年の賃金センサスを基にした男女計、男性、女性の各平均賃金と、後遺障害逸失利益の計算における賃金センサスの使い方などについてご案内します。

なお、賃金センサスは、雇用形態、職種、性別、学歴、年齢など様々に分類されていて、インターネット上で公表されています(以下のサイト内)。
   e-Stat           
政府統計の総合窓口     
  |賃金構造基本統計調査 


令和1~5年の賃金センサス


令和1~5年の賃金センサスを基に、各年の男女計、男性、女性それぞれの平均賃金(学歴計・全年齢平均)を集計すると以下のとおりです。

  男女計(学歴計・全年齢平均)
令和1 500万6900円
令和2 487万2900円
令和3 489万3100円
令和4 496万5700円
令和5 506万9400円
  男性(学歴計
・全年齢平均)
女性(学歴計
・全年齢平均)
令和1 560万9700円 388万0100円
令和2 545万9500円 381万9200円
令和3 546万4200円 385万9400円
令和4 554万9100円 394万3500円
令和5 569万8200円 399万6500円

賃金センサスは、このほか、男女計、男性、女性それぞれについて学歴ごとの統計や年齢ごとの統計もあり、どの箇所を用いるかは事情により様々です。


賃金センサスを基礎収入の資料に


後遺障害逸失利益の一般的な計算式は、以下のとおりです。

基礎収入×労働能力喪失率
×労働能力喪失期間の中間利息控除係数

このうち基礎収入は事故前の現実の収入額(年額)とするのが原則であり、主婦の家事など、会社員の源泉徴収票のような資料がない場合、それに代わる資料を求めることになります。

そこで、賃金センサスを基礎収入の資料とし、逸失利益の計算に活用します。

会社員などで資料にすることも


また、会社員・公務員で比較的若い場合(おおむね30歳未満)や、学生・生徒等・高齢者で逸失利益を認める場合、あるいは収入の資料がある人でもその資料を用いることに疑義がある場合などに、賃金センサスを基礎収入の資料にすることがあります。


政府サイトの賃金センサスから算出


賃金センサスは、政府のウエブサイトである以下のページに掲載されています。
   e-Stat           
政府統計の総合窓口     
  |賃金構造基本統計調査 

賃金センサスを開く


例えば令和5年の賃金センサスを使う場合、上記のページの中で、
「■令和5年賃金構造基本統計調査」の下、
「一般労働者」の下の、
「産業大分類」をクリックすると、以下のページが開きます。
   e-Stat           
政府統計の総合窓口     
  |データセット一覧   

この中で、「表番号」1番
「学歴、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
に、「EXCEL閲覧用」という緑色のボタンがあります。

そこに、
「第1表 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
というエクセル表が収納されています。

賃金センサスの中の使用箇所へ


例えば女性については、エクセル表の左端を見ながら下のほうへスクロールすると、以下の欄が現れます。


学歴計

その右のほうにある、以下の箇所を使います。これは、女性について、学歴・年齢を問わずに、学歴計・全年齢の平均賃金を使う場合です。
(この左や右にも欄がありますが、それらは使いません)

    企業規模計(10人以上)
   きまって
支給す
る現金
給与額
  年間賞与
その他特
別給与額 
所定内
給与額 
  千円  千円  千円 

学歴計

280.7

262.6

628.1 

基礎収入(年額)を計算


「きまって支給する現金給与額」は平均月額、「年間賞与その他特別給与額」は平均年額になっていて、単位は「千円」なので、以下の計算で基礎収入(年額)が算出されます。

 (280.7×12+628.1)×1,000
 =3,996,500円

男性や性別不問の場合


男性の統計を使う場合は、上記のエクセル「第1表 年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」の中にある、


学歴計

という欄の中で、上で女性について掲載した「企業規模計(10人以上)」の表に相当する箇所を使います。
 
性別不問の場合、同エクセルの上のほうにある、

男女計
学歴計

という欄になります。

学歴や年齢を考慮の場合


賃金センサスには、学歴別に区分した欄もあるので、学歴を考慮する場合は、それらの中で上記に相当する箇所を使います。

また、各学歴ごとに、年齢層別の欄もあり、年齢を考慮する場合は、それらの中で上記に相当する箇所を使います。


基礎収入の減縮

基礎収入については、事情によっては、減縮する反論が加害者側から出され争いになることがあります。
具体的にはご相談いただければと思います。


労働能力喪失率・期間・中間利息控除

賃金センサスによって基礎収入を算出したあとは、そこへ、「労働能力喪失率」を乗じ、さらに「労働能力喪失期間」の「中間利息控除」係数を乗じます。
これらについては、以下のリンクから各ページをご覧いただけますでしょうか。


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このページの著者

 弁護士 滝井聡
  神奈川県弁護士会所属
    (登録番号32182)

さらに具体的には、ご相談いただけますでしょうか。