バイクと車・一時停止無視の過失割合
一時停止無視の過失割合
バイクと車
直進するバイクと車（四輪車）との間で、一方に一時停止規制のある信号機のない交差点で発生した事故について、過失割合の認定基準をご案内します。
一時停止無視の過失が基本としては重く、速度の状況によって過失割合の程度が変わり、著しい過失や重過失がある場合には修正するものとしています。
また、一時停止規制のある側が一時停止後に交差点に進入した場合の過失割合の認定基準も設けられています。
車に一時停止規制がある場合
車が一時停止をせずに交差点に進入した場合の過失割合です。
| ← | バイク | |||
| ↑ | ||||
| 車 | 停止線 | |||
同速度の場合の過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 無 | 有 | |
| 速度 | 同速度 | ||
| 基本過失割合 | 15 | 85 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －15 |
||
バイクが減速・車は減速なしの過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 無 | 有 | |
| 減速の有無 | 減速 | 減速 なし |
|
| 基本過失割合 | 10 | 90 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －5 | ||
| 車に重過失 | －10 |
||
車が減速・バイクは減速なしの過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 無 | 有 | |
| 減速の有無 | 減速 なし |
減速 | |
| 基本過失割合 | 25 | 75 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 |
＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
車が一時停止後進入の場合
一時停止規制のある車が一時停止をしてから交差点に進入した場合の過失割合です。
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 無 | 有 | |
| 一時停止 | 車が 一時停止後進入 |
||
| 基本過失割合 | 35 | 65 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
バイクに一時停止規制がある場合
バイクが一時停止をせずに交差点に進入した場合の過失割合です。
| ← | 車 | |||
| ↑ | ||||
| バイク | 停止線 | |||
同速度の場合の過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 有 | 無 | |
| 速度 | 同速度 | ||
| 基本過失割合 | 65 | 35 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
バイクが減速・車は減速なしの過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 有 | 無 | |
| 減速の有無 | 減速 | 減速 なし |
|
| 基本過失割合 | 55 | 45 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
車が減速・バイクは減速なしの過失割合
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 有 | 無 | |
| 減速の有無 | 減速 なし |
減速 | |
| 基本過失割合 | 80 | 20 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
バイクが一時停止後進入の場合
一時停止規制のあるバイクが一時停止をしてから交差点に進入した場合の過失割合です。
| バイク | 車 | ||
| 一時停止規制の有無 | 有 | 無 | |
| 一時停止 | バイクが 一時停止後進入 |
||
| 基本過失割合 | 45 | 55 | |
| 修 正 要 素 |
バイクに著しい過失 | ＋10 | |
| バイクに重過失 | ＋20 | ||
| 車に著しい過失 | －10 | ||
| 車に重過失 | －20 |
||
一時停止したかどうかについて
一時停止規制のある側は、「一時停止後進入」であれば、一時停止しなかった場合に比べ過失割合が軽くなります。
そこで、一時停止したかどうか問題となることがよくありますが、停止位置で一旦停止すれば直ちに一時停止と認められるわけではありません。
過失割合が軽くなるのは、一時停止をし、左右を見て交差道路を進行する車両の接近を認めたけれど、その速度と距離の判断を誤って、低速度で交差点に進入し、減速しなかった相手と衝突した場合が想定されています（別冊判例タイムズ38号）。
道路交通法の規定や裁判例についても以下のページでご案内しています。
一時停止したかどうか
このページの著者
弁護士 滝井聡
神奈川県弁護士会所属
（登録番号32182）