後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料
後遺障害による精神的苦痛に賠償
交通事故による後遺障害が認定された場合、その後遺障害による精神的苦痛に対する賠償として慰謝料が発生し、これを後遺障害慰謝料といいます。
精神的苦痛とは、本来は目に見えないものですが、お金にするといくらで慰謝されるかの評価をすることになります。
後遺障害慰謝料の額は、弁護士基準・自賠責基準・任意保険基準でそれぞれ異なるのが通常です。
後遺障害慰謝料は弁護士基準で
後遺障害慰謝料の額は、弁護士基準・自賠責基準・任意保険基準の中では、弁護士基準が最も高額になります。
このため、後遺障害慰謝料は弁護士基準を用いるべきです。
弁護士基準と自賠責基準
後遺障害慰謝料について、弁護士基準と自賠責基準を比較すると、以下の表のとおりです。
(弁護士基準の慰謝料額は、日弁連交通事故相談センター東京支部がいわゆる「赤い本」で設定している額です。自賠責基準の慰謝料額は、13級と14級のほかは、いずれも令和2年3月31日以前に発生した事故については、やや低い金額になります)
後遺障害の等級 | 弁護士基準の慰謝料額 単位:万円 |
自賠責基準の慰謝料額 (施行令別表第2の場合) 単位:万円 |
1級 | 2,800 | 1,150 |
2級 | 2,370 | 998 |
3級 | 1,990 | 861 |
4級 | 1,670 | 737 |
5級 | 1,400 | 618 |
6級 | 1,180 | 512 |
7級 | 1,000 | 419 |
8級 | 830 | 331 |
9級 | 690 | 249 |
10級 | 550 | 190 |
11級 | 420 | 136 |
12級 | 290 | 94 |
13級 | 180 | 57 |
14級 | 110 | 32 |
後遺障害 の等級 |
弁護士基準 の慰謝料額 単位:万円 |
自賠責基準 の慰謝料額 単位:万円 |
1級 | 2,800 | 1,150 |
2級 | 2,370 | 998 |
3級 | 1,990 | 861 |
4級 | 1,670 | 737 |
5級 | 1,400 | 618 |
6級 | 1,180 | 512 |
7級 | 1,000 | 419 |
8級 | 830 | 331 |
9級 | 690 | 249 |
10級 | 550 | 190 |
11級 | 420 | 136 |
12級 | 290 | 94 |
13級 | 180 | 57 |
14級 | 110 | 32 |
※自賠責基準の慰謝料額は、介護を要する後遺障害(施行令別表第1)については1級が1,650万円、2級が1,203万円となります。
※自賠責基準の慰謝料額は、介護を要する後遺障害については1級が1,650万円、2級が1,203万円となります。
任意保険基準
後遺障害慰謝料について、任意保険会社の基準は、おおむね、上記の弁護士基準と自賠責基準の間の金額に設定されています。
このため、後遺障害慰謝料は弁護士基準が最も高額になります。
- なお、自賠責の支払限度額以下の範囲では過失割合によって以上と異なる場合があり、この点については、「交通事故の過失割合」ページの下のほうに、「自賠責は過失7割未満なら全額」という見出しで記載しています。
慰謝料の増額事由
交通事故の慰謝料は、加害者の故意もしくは重過失による事故の場合、増額されることがあります。例えば、ひき逃げ、酒酔い、著しいスピード違反、ことさらに信号無視などが増額事由とされています。
また、加害者に著しく不誠実な態度があった場合も、増額事由とされることがあります。
ただし、明確な基準があるわけではなく、何かあれば必ず増額事由になるわけではありません。